あなたは歯医者さんで「予防」というと何を連想されますか。歯磨き、フッ素、歯ぐきの手入れ・・・

　わたしたちは、ずっと自分の歯で美味しくかむことができ、虫歯や歯周病を防ぐと同時に、いい状態を維持していくことに焦点をあてています。

　そう、「予防」とは、予防とメインテナンスのことを言います。そして実際には虫歯と歯周病を予防するだけでなく、「かみ合わせ」をいい状態のまま保つことが非常に重要なのです。

虫歯治療に「治癒」はありません

　あなたも一度は虫歯治療をうけたことがあるのではないでしょうか？虫歯を削って詰めるという行為は「修復」であって、完全にもとの状態に戻ることではありません。失われた機能と形を「代償的に再構築する」ということが、現在の歯科においての虫歯治療ということになります。材料学が日毎に発達しているとはいえ、自分の歯に優るものはありません。

　つまり、虫歯になってからでは遅いのです。虫歯にならないように予防することが大切なんですよ。

憎むべきは歯周病

　「歯周病って歯がグラグラしたり、ものが噛めなくなることでしょ？じゃあ、私は大丈夫♪」なんて思ってませんか？

　歯がグラグラしたり、ものが噛めなくなるのは、かなり歯周病が進行しているときに現れる症状なんですよ。

　歯周病の憎むべきところは、かなり進行するまで症状を自覚できません。そう、痛みを伴わないんです。

　昔、テレビのコマーシャルで「リンゴを噛むと歯ぐきから血が出ませんか？」というのがありました。

　「歯ぐきからの出血」は歯周病のサインだと思ってください。痛みがなくともですよ！

　健康な歯であっても、相当進行した歯周病になると、歯を抜いてしまわないといけなくなります。わたしたちは歯周病の予防と治療に最も力を入れています。

いい習慣を身につけましょう

　日本人が勤勉な民族であることは世界的に有名です。でも、それがアダとなることがあります。北欧（特にスゥエーデン）では虫歯のない児童は60%もいるんです。もちろん彼等は歯を大切にする習慣が生活の一部として完全に染み渡っています。勤勉な日本人は、そこまで手がまわらないというのが現状でしょうか。

　しかし、習慣というものは、わたしたちの生活の80%を占めると言われています。ですからいい習慣を身につけましょう。歯磨きは予防もメインテナンスにも大きく貢献します。正しい歯磨きを是非身につけてください。

　ここで・・・こう思われた方はいらっしゃいませんか？「毎日きちんと3回は磨きしてるよ！」って。しかし、個人個人で虫歯菌の数も違いますし、唾液（つば）の抵抗力もみな違うんです。そのためにもご自身の「虫歯リスク」を知ることが大切なんです。
　「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と言うように、虫歯のリスク試験を受けられることをお勧め致します。そして定期的なメインテナンスをすることによって、お口は健康を維持することができます。